ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の日常管理【繁殖編】

どうも、爬虫類ブロガーのSHU(@kitajimashuichi)です。

コツさえ掴んでしまえば比較的簡単に繁殖が成功するといっても過言ではないヒョウモントカゲモドキ。十分な栄養を取らせた健康状態が良好で成熟したペアがいればあとは準備を整えるだけで時期が来れば始めることができます。

しかし一度の交尾で多い場合には年間で10匹程度の個体が新たに生まれることになるので飼育する心構えやスペース、ケージなどの準備はもちろん、飼いきれない場合には貰ってくれる友人など引き取り先も確保した計画的な繁殖を心掛けましょう。

動物取扱業の資格を持たない者が自身が殖やした個体を売買することは法律違反であり、当たり前ですがブリーダーイベントなどに参加することもできません。むやみに殖やしてしまうことは自分自身の首を絞める行為でもありますし、新たに生まれてくる生命に対して責任とモラルを持って繁殖に挑戦しましょう。

 

はじめに:成熟した個体の見極め方と雌雄の判別

成熟した個体の見極め方

成熟した個体の見極め方ですが年齢で判断するのではなく、個体の体重で判断するようにしましょう。

目安としてはオスは約45g前後、メスは50g前後の体重となります。通常の飼育を行えば生後1年でこのくらいの成長はして繁殖は可能になりますができればしっかりと時間をかけて育てた2才以上の個体でチャレンジしましょう。自分の交配した個体が誕生するのは感動的なものです。

雌雄の判別

ヒョウモントカゲモドキの雌雄判別は、数多い爬虫類の中でも比較的容易な種類だといえます。

ヒョウモントカゲモドキの雌雄はオスを基準にして判別します。尾と胴体の付け根にある線状のものが総排泄孔です。それを境に成熟したオスは付け根付近に2ヵ所盛り上がりがあります。これをクロアカルサックと呼び、オスのへミペニスが収容されています。また総排泄孔の上部にへの字型に並んだ小さなウロコがあるのもオスの特徴です。成熟してもオスの特徴が出ない個体がメスです。

 

繁殖にチャレンジしてみよう

クーリング

クーリングとは野生環境でいうところの冬を再現させ、一定期間温度を下げて休眠させる行動のことを指し、こうすることで発情を促すことをいいます。ヒョウモントカゲモドキのみならずボールパイソンなどブリーディングが進化している爬虫類の多くはこのクーリングを行うことで確実な繁殖へと導いています。完全な職業としてブリーディングを行う場合は人為的なクーリングを行う場合もありますが(四季のない南国などではとくに)、基本的には季節に任せて冬の期間にクーリングを行うことが一般的です。

クーリングは完全な冬眠とは異なり、生体は一応の活動は行うもほとんどエサを取らずに水分だけを得て、代謝も落ちているという状態です。またクーリング中は代謝が落ちることで体内に食べたものが残った状態だと未消化のまま腐敗してしまうので、クーリングをスタートする1週間前にはエサ断ちを始めて胃の中を空にしてから行うようにしましょう。

十分に成熟したペアであればこのクーリングを行わなくても発情し、繁殖する場合もありますがクーリング処置を行った方が卵の付加率は上がり、また生体の寿命も延びるともいわれています。ブリーダーによっては敢えてこのクーリングを行わない方法で繁殖するスタイルもあります。

発情〜交尾

クーリングの期間が終わったら繁殖に向けての次のステップのスタートです。

当然長い間エサを食べていない状態なので少しずつエサを与え、温度を戻して通常の環境に戻したらいよいよオスとメスを同じケージ内に入れてみましょう。個体によっては相性もありまったくお互いに興味を示さないなんてケースもまったくないわけではありませんが、大抵の場合はオスが尻尾をブルブルと震わせながらメスに近づいて後尾が始まります。メスにその気持ちがあれば、尻尾を持ち上げオスを迎え入れる体勢を作るでしょう。オスがメスの首元を軽く噛む場合もありますが、これは攻撃をしているわけではないので安心してください。もしすぐに交尾が始まらなくても一晩一緒にしておけばほとんどの場合、交尾は成功していると思ってよいでしょう。どうしてもメスが受け入れない場合には、しばらく期間を置いてから再度チャレンジしてみましょう。交尾が終わったオスとメスは元のケージに戻して、再び別居生活をさせたほうがさまざまなトラブルが起きないのでよいです。ヒョウモントカゲモドキの夫婦は基本的には別居生活です。

複数のメスと1匹のオスで繁殖をする場合には次の交尾まで最低でも1週間程度は空けたほうがいいでしょう。

抱卵〜産卵へ

交尾を行なったメスは卵を作る栄養を補うために食欲が倍増するので、できるだけ栄養価の高いエサを十分に与えて健康状態を高めるようにしましょう。もし栄養が足りない場合にはいい卵を産まずに孵化率が低下したり、孵化しても幼体の健康状態が芳しくない、メス親の栄養障害をひきおこすなどさまざまなトラブルが起きてしまう危険性もあるので繁殖にとって最も重要な期間がこの交尾をしてから産卵するまでの間だといえます。

交尾後、10日前後でうっすらとメスの腹部には卵が透けて見えてきます。これを抱卵といいます。抱卵から産卵までの期間には個体差もありますが早い個体であれば2週間前後、通常でも1ヶ月以内には産卵するでしょう。産卵が間近に迫ったメスの腹部はまるで臨月のようにパンパンに膨らみ、産卵前にはメスの食欲が急に止まるのでエサ食いが急に止まったら産卵が間近だと判断できます。産卵間近のメスはケージ内を動き回り、床材を掘るような行動を見せます。これは産卵に適した場所を探して穴を掘ろうとしているためです。抱卵を確認してから産卵行動を起こす前までに、ケージ内に産卵するための場所として産卵床を用意して配置しておくようにするといいでしょう。また1回の交尾で2〜5回程度の産卵を繰り返し、その回数のことをクラッチといいます。また例外なく、1クラッチでの産卵数は2個です。

産卵床

産卵床はメスの身体がすっぽり入るくらいの大きさと深さを持ったタッパーなどに、手で握って水がこぼれない程度に水分で湿らせたミズゴケやヤシガラ・バーミキュライトなどを敷き詰めたものを用意しましょう。タッパーはフタの付いたものを用意してメスが通れるくらいの穴を空けておけば、メスが穴を掘るときに掻き出した床材がこぼれにくいので便利です。

孵卵と孵卵床、卵の管理

産卵床に卵が産み落とされたら、なるべく速やかに卵を回収します。これは産み落とされた位置を変えてしまうと孵化率が下がってしまうため、メスに転がされたりしないようにするためで回収した卵は事前に用意しておいた孵卵床に移します。孵卵床はプリンカップなどの容器にバーミキュライトや市販の専用孵化土「ハッチライト」を使用し、1対1の割合で水を含ませ水分を吸ってしっとりとした状態くらいを目安にするといいです。孵卵床に配置する卵は上下を変えないように並べ、孵卵床は指で軽くへこませて卵が転がらないように配置します。卵を入れたカップはフタをしてカップ内の湿度が80〜90%になるように管理、温度は25℃〜30℃くらいで温度変化が少ない環境が好ましいので専用の孵化容器を用いたり、冷温庫などを使用するのが一般的です。産卵した日などをカップ外に記載しておくと便利です。

孵化

産卵から孵化までの日数は産卵同様に個体差があるので一概にはいえませんが短いもので1ヶ月程度、長いものであれば2ヶ月ほどで孵化します。高めの温度で管理した方が早く孵化する傾向があるとはいわれていますがこれは一概にはいえません。また孵卵中に大きく凹んでしまったり、変色したりしたものは死産になってしまって孵化しない場合も多いので時期を見計らって残念ですが破棄をするしか方法はありません。卵の殻にカビが生えることも高い湿度で管理するためによくあることですがこれは卵の生死には関係ありません。順調に育っている卵は産卵直後より大きくなり、孵化直前にはふっくらと張りも出てきて表面に水滴がついたようになり、薄い切れ目が入りますがこれは内部から幼体が殻を破ろうとしているからで自力で殻を破って出てくるまで手を触れてはいけません。へその緒で呼吸をしているので無理に出すことで呼吸ができなくなってしまう恐れがあります。孵化翌日には飼育容器に移しても問題ありません。

 

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では、みなさんもよい爬虫類ライフを!

ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)飼育完全マニュアル

2018.12.15