【爬虫類繁殖の基礎知識】多因性遺伝と選別交配について

どうも、爬虫類ブロガーのSHU(@kitajimashuichi)です。

今回は、爬虫類を繁殖させるうえでの必須知識・ブリーディングの基礎知識である多因性遺伝と選別交配について紹介したいと思います!

多因性遺伝と選別交配について

高確率で親の形質が子に遺伝することを多因性遺伝といいます。ヒョウモントカゲモドキなどの爬虫類の一部のモルフは、この遺伝を利用して同系統の血筋で近親交配(インブリード)による選別交配を繰り返すと、次世代へ行くにつれて形質的な特徴が強調されていく傾向にあります。逆に、系統の違う個体同士で交配すると強調された形質が薄まり次世代に特徴が出なくなります。

選別交配とは、綺麗な個体同士を何世代にもわたって交配させてより綺麗な個体を作る繁殖技術のことです。

現在ほぼすべてのモルフの基礎となっているハイイエローも、ヒョウモントカゲモドキの基亜種であるマキュラリウスの野生採集個体から生まれた繁殖個体の中で、とくに体表の黄色が強い個体を選別交配した末に誕生したとされています。ヒョウモントカゲモドキの多因性遺伝のモルフは、ほかにも以下のようなものが存在します。

  • ハイイエロー

マキュラリウスの中で黄色が強い個体を選別交配

  • ハイパーザンティック

ハイイエローの中からさらに黄色が強い個体・スポットやバンドが明瞭な個体を選別交配

  • タンジェリン

ハイイエローの中でオレンジ色が強い個体を選別交配

などなど…

多因性遺伝のモルフ名について

多因性遺伝のほかにも優性遺伝・劣性遺伝・共優性遺伝などがありますが、そういった遺伝とは異なり複数の遺伝子が揃うと特定のモルフになるという訳ではないので、モルフ名は基本的に「各ブリーダーが名付けたブランド名」とその特徴となります。同じタンジェリン系のモルフでも、以下のように各ブリーダーごとのブランドが数多く存在します。

タンジェリン系の主なブランド
  • ニーヴィスタンジェリン【David Nieves】
  • ブラッドタンジェリン【JMG Reptile(Jeff Galewood)】
  • ブラッドタンジェリンハイポ【JMG Reptile(Jeff Galewood)】
  • エレクトリック【Hiss】
  • アトミック【A&M Geckos】
  • タンジェリントルネード【The Urban Gecko/TUG】
  • ホットゲッコーラインタンジェリン【Hot Geckos(Dan Lubinsky)】

などなど…

近親交配による弊害

このように選別交配は綺麗な個体を作るための最も基本となる繁殖技術ですが、近親交配に伴う弊害も存在します。

ヒョウモントカゲモドキに限らず生物は近親交配を繰り返すことによって、先天性の病気や障害が発生する可能性が高まります。よって血縁関係の遠い種の血を適度に入れる必要があるのですが、前述したように選別交配によって作出されたモルフは基本的に系統の違う種を新たに交配させるとそれまで強調された形質が薄まり次世代では特徴が出なくなります。選別交配による繁殖を行うのであれば、これらの近親交配によるリスクやデメリットを最低限理解したうえで挑戦する必要があります。

ヒョウモントカゲモドキのタンジェリンに限れば、血縁関係の遠い種としてエメリンが注目されています。エメリンはタンジェリンの選別交配によって強調された形質を薄めることなく、逆にオレンジの発色をより濃くする特徴があるといわれています。なおかつ血縁関係も遠く新たな血を入れることができるので、近親交配によるリスクを下げることができます。

まとめ

では、みなさんもよい爬虫類ライフを!

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1993年佐賀県生まれ。複業家。「本業×副業×個人事業」といった三足の草鞋の働き方で、人生100年時代に向けてライフスタイル・ワークスタイルを模索中。”全力で「遊ぶ」「働く」「学ぶ」”といったテーマで『SHULOG』にて情報発信中!☞プロフィール詳細はこちら