爬虫類・両生類のWCやCBについて

どうも、爬虫類ブロガーのSHU(@kitajimashuichi)です。

爬虫類・両生類の飼育を始めると聞きなれない専門用語がたくさん出てくると思います。

今回はそんな専門用語の中のひとつであり、よく爬虫類専門店などで生体の値札に明記されているWCやCBなどについて説明したいと思います。

爬虫類・両生類飼育で絶対に必要な知識というわけではありませんが、その個体がどういった経緯で店頭に並んでいるかを知ることができるのでぜひ参考にしてみてください。

 

WC・CBについて

現在、流通している爬虫類・両生類のほとんどが大きく分けてWCもしくはCBに分けられます。その他にも、細かく分けるとCR・CH・FHなどがあります。

WC(Wild Caught)

WCとはWild Caught(ワイルドコート)の略で、野生で捕獲・採集された個体のことを言います。主に「ダブルシー」「ワイルド」「野生個体」などと呼ばれています。Wildの略で「WD」と表記される場合もありますが、「WC」と同義になります。

WC個体のメリット
  • 自然下で育っているため大きく育ちやすく、色彩も鮮明で美しくなりやすい
  • 人為的に近親交配されていないため、血統的に長生きできる個体が多い
  • 人為的に交配されておらず、遺伝的にクリーンである(隠れヘテロを持たない)
  • 近交係数が高くなりすぎた品種に対してモルフの特徴的な遺伝子を極力加えることなく、近交係数を下げることができる
  • ほとんど野生個体でしか流通しない新種や繁殖が困難な種も存在する
WC個体のデメリット
  • 飼育下の環境に適応しておらず、飼育・繁殖が困難なケースが多い
  • 自然下で育っているため神経質で気性が荒い
  • 自然下で育っているため様々な病原菌を持っている可能性がある
  • 寄生虫を持っている可能性があり、駆虫処置が必要不可欠
  • 海外輸入の場合、過密輸送などによるストレスやキズ(爪の欠損等)などを抱えているケースが多い
  • 保護目的で捕獲や輸出が禁止され流通しなくなるケースもある
  • 普通に流通している種でも、野生個体というだけで珍重され希少価値が高いケースもある

野生個体でも駆虫トリートメントなどの処置が施され、しっかりと飼い込まれた個体はCRとなります。また、長期間飼い込まれた野生個体はLTC(Long term Captive)と呼ばれることもあります。

CR(Captive Raised)
CRとはCaptive Raised(キャプティブライズ)の略で、野生個体を飼い込んで駆虫トリートメントがなされた個体のことを言います。区分は曖昧ですが、駆虫処置を施したという意味合いで使っている人もいます。

CB(Captive Bred)

CBとはCaptive Bred(キャプティブブレッド)の略で、交配から生まれるまで人間の飼育下で人為的に繁殖された個体のことを言います。主に「シービー」「キャプティブ」「繁殖個体」などと呼ばれています。

CB個体のメリット
  • 飼育下の環境に適応しやすく、飼育方法も確立されているので比較的トラブルが少ない
  • 最初からピンセット給餌を行っていれば、比較的餌付きやすく育てやすい
  • 生まれたときから人間の飼育下にいるため、生体にキズがつきにくい
  • 比較的おとなしい個体に育ちやすい
  • 寄生虫や病気などの心配が少ない
  • 繁殖がしやすいケースが多く、流通量も安定している
  • 品種(モルフ)など血統がはっきりしている場合が多い
  • 保護目的で捕獲や輸出が禁止されている種でも、CBとして流通しているケースもある
CB個体のデメリット
  • 生まれながらに何かしらのトラブルを抱えている品種(モルフ)も存在する
  • 寄生虫や病気などに弱い
  • CBならではのレアな品種(モルフ)は高額になる
  • 体格・色彩が野生個体に劣るケースも多い

野生個体同士でも人間の飼育下で人為的に繁殖された場合、そこから生まれてくる個体はCBとなります。また、野生個体同士を繁殖させた子どもの中でも第一世代目の子孫はF1(First Filial Generation)と呼ばれ高値で取引されることもあります。ヒョウモントカゲモドキではF1以降の野生個体同士の純粋な血統の子孫のことをWCB(Wild Caught Bloodline)と呼び、血統維持の観点・遺伝的な特徴からブリーダーの間で重宝されています。

ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)のWBC(Wild Caught Bloodline:ワイルドコートブラッドライン)とは!?

2019年1月25日

一方で野生個体がすでに持ち腹(野生で捕獲・採集したメスがすでに受精卵をもっていること)の場合、そこから生まれてくる個体は基本的にはCBに含まずCHとなります。

CH(Captive Hatched)
CHとはCaptive Hatched(キャプティブハッチ)の略で、妊娠・抱卵している野生個体を飼育して産卵・孵化させた個体のことを言います。CBと区別しない場合もあります。

CBの中でも、生息地に作られたストック用のファームで繁殖された個体はFHと呼ばれます。WCとCBの中間的な存在で、環境によってはWCのように立派に育ったり、CBのように状態のいい個体もいます。

FH(Farm Hatched)
FHとはFarm Hatched(ファームハッチ)の略で、生息地に作られたストック用のファームで繁殖された個体のことを言います。FCB(Farm Captive Bred)やCF(Captive Farmed)と呼ばれることもあります。

 

WCとCB、どちらを選ぶべきか?

欲しい種がWCとCBどちらも流通していて選択肢がある場合は、基本的に初めてその種を飼育する場合はCBが良いとされています。

爬虫類専門店などで取り扱われている種のほとんどがこのCB個体で、WC個体よりも状態が良いケースが多いからです。逆にWC個体は寄生虫や病気などを持っている可能性が高く、すさまじく状態が悪い種がいたりと購入する際に目利きが必要になってきます。また、WC個体はそれなりに大きく成長した個体を購入し、WC個体自体に病気などの症状が出ていないとしても病原菌を持っている可能性が高く、他の個体でで発症するというケースもあるので隔離飼育が基本となります。

しかし、WC個体は自然下で育っている分体格がしっかりしていて色彩も鮮明で美しい場合が多くCB個体にはない魅力を持っています。また、WC個体には累代繁殖によって血統が濃くなりすぎた品種(モルフ)に対して、血統を薄める効果があります。累代繁殖を重ねることによってモルフの特徴もはっきりとしてきますが、血統が濃くなりすぎることによって免疫系に問題を抱えてたり骨格がおかしな個体が生まれてくる場合があります。これらの解決策としてWC個体は繁殖に用いられ、ブリーダーの間でも重宝されています。ある程度飼育に慣れていればWC個体を選ぶのもありかと思います。

もちろんWC個体でも爬虫類専門店の方が丹精込めて世話して、人や環境に慣らし寄生虫も除去し完璧な状態にして販売している場合もあります。また上級者の中には、ボロボロのWC個体を自分の手で完璧に仕上げていくというマニアックな人もいるとか…

 

WCとCB、どちらが高いのか?

WCとCB、どちらの方が価値があるかは完全に種によって異なります。

飼育下での繁殖が難しい種類は、CB個体の方がキズも少なく餌付きやすく落ちにくいので高くなる傾向にあります。逆にヒョウモントカゲモドキのようにCB個体が市場の大半を占めているような場合だとWC個体の方が高くなる傾向にあります。また珍しい色彩や模様などの個体が発見された場合は、WC・CB問わず高値で取引されています。

爬虫類・両生類は、品種(モルフ)によって値段の振り幅も大きいです。同じヒョウモントカゲモドキでも数千円から購入できるモルフや、数十万円で取引されているモルフまで存在します。

 

まとめ

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1993年佐賀県生まれ。複業家。「本業×副業×個人事業」といった三足の草鞋の働き方で、人生100年時代に向けてライフスタイル・ワークスタイルを模索中。”全力で「遊ぶ」「働く」「学ぶ」”といったテーマで『SHULOG』にて情報発信中!☞プロフィール詳細はこちら