どうも、爬虫類ブロガー“SHU”です。
エボシカメレオンを飼育する場合には、どんなアイテムを揃える必要があるのか?この記事では、エボシカメレオンの飼育に必要なアイテムを紹介したいと思います!是非参考にしてみて下さい!
はじめに:エボシカメレオンとは
アラビア半島南西部のイエメンとサウジアラビアにかけて広がる山岳地帯とその周辺に分布し、標高2500m以下に生息しています。1990年代頃からペットとして流通しており、飼育下では約4~8年ほど生き最大で全長65cmまで成長します。
エボシカメレオンという和名は、成熟したオスの後頭部にあるカスク(突起)が長く伸長した姿が和装の礼服着装の際に身に着ける帽子である烏帽子に見えることに由来しています。カメレオンとしては珍しく昆虫の他に植物の葉や果実も食べ、比較的丈夫で飼育しやすいことからカメレオンの入門種とも言われています。
- 和名:エボシカメレオン
- 英名:Veiled chameleon
- 学名:Chamaeleo calyptratus
- 分布:アラビア半島南西部
- 全長:約40~60cm
- 寿命:約4~8年
- 棲息環境:樹上棲
- 活動パターン:昼行性
- 食性:雑食
エボシカメレオンの飼育に必要なアイテム
エボシカメレオンの飼育に必要なアイテムをまとめると以下の通りです。
ケージ
一般的に樹上棲のトカゲの飼育に必要なスペースは、高さが全長の1.5倍以上で間口と奥行きは頭胴長の2倍以上とされています。エボシカメレオンは最終的に成体で全長が40〜60cmになりメスは最大で全長45cm程度、オスはメスよりもさらに大型に成長し最大で全長65cm程度になります。頭胴長は15cm程度で、尾長は頭胴長よりも長くなります。そのためエボシカメレオンを飼育するのに理想的なケージサイズは、最低でも高さがメスで60cm以上・オスで90cm以上、間口と奥行きは30cm以上のスペースが必要となります。
カメレオンを含め樹上棲トカゲは基本的にケージ内が蒸れることを嫌うので、通気性の高くメンテナンス性が高い爬虫類飼育用のメッシュケージがおすすめです。
紫外線・可視光線ライト
エボシカメレオンは昼行性の爬虫類なので、太陽光に含まれる紫外線を浴びることによって骨代謝が行われます。またエボシカメレオンの生息地であるイエメンやサウジアラビアでは、砂漠特有の強烈な太陽光が降り注いでいますが普段は森林の木陰などでひっそりと過ごしています。そのため紫外線ライトを選ぶ際には、森林棲爬虫類用など中程度の紫外線を放出するアイテムを選ぶようにしましょう。
紫外線ライトに含まれるUVBは、体内でカルシウムの吸収を助けるビタミンD3を合成して骨格を形成します。
可視光線ライトに含まれるUVAは、食欲増加や脱皮促進などの効果があります。
保温器具(保温球・サーモスタット)
太陽光のような自然光に近い光を設置することで、エボシカメレオンの成長・活動環境を整えることができます。紫外線・可視光線ライトに加えて保温球(バスキングライト)をケージ上部から日中のみ照射して、1日の周期を再現してあげましょう。バスキングライトでバスキングスポットをつくることで、エボシカメレオンが体温を保つことができます。熱源となるライトはケージの上部に設置し、火傷等しないように注意しましょう。
サーモスタットは、ケージ内の温度が上がりすぎないように自動で調整してくれるアイテムです。保温球や上部ヒーターなど温度調節機能を備えていない保温器具の場合、限界までケージ内の温度を上げようとするので暑くなりすぎてしまい最悪の場合生体が死んでしまう可能性があります。保温器具以外に紫外線ライトや可視光線ライトなど照明器具の管理も自動で行ってくれるサーモスタットもあるので、昼行性爬虫類を飼育する際にはひとつ持っておくとかなり重宝します。
温度・湿度計
エボシカメレオンに快適な環境が作れているか定期的にチェックが必要です。
- 日中:25~28℃が目安(バスキングライト直下は30℃前後が目安)
- 夜間:18~25℃が目安
- 湿度:多湿
※ケージ内全体が暑くなりすぎないように温度が低い場所を作ってあげてください。
アクセサリー・プランツ
エボシカメレオンは本来森林の樹木に生い茂った葉の影に隠れるようにして暮らしており、飼育下でも植物の枝や葉は重要な役割を果たします。エボシカメレオンにとって枝は基本的な生活場所になりますし、葉はシェルターとしての役割や湿度コントロールなどの役割も果たします。なので飼育下でもケージ内にレイアウト用のアクセサリーや植物を配置して、野生下と同じような生活環境を再現する必要があります。
体が冷えた時にライトに近づくことができるように、登ったり掴むことができる枝を設置してあげましょう。最近では自由に曲げられていろいろなレイアウトが楽しめる使い勝手の良い人工ツタも販売されているので、そういったものを利用してもいいでしょう。
床材
エボシカメレオンの飼育に使用されていることが多い床材はヤシガラやソイルなどがあり、見栄えが良く自然の生活環境を再現することができて湿度維持にも役立ちます。また消臭効果も高く、フンをしたところだけ簡単に取り除くことができ意外と掃除も楽です。排泄物は毎日取り除き綺麗に保ち、床材は定期的に交換しましょう。
水入れ
エボシカメレオンなどの樹上棲のトカゲは地表棲のトカゲと違って水入れから水を飲まない種類が多く、これはおそらく水入れ内の動いていない水を水と認識していないケースがほとんどです。エボシカメレオンは野生下でも水溜まりや池などがある地表まで降りることがほとんどなく、雨が降った時に木々の葉から滴り落ちる雫や朝方に発生した霧が葉についてできた朝露など水分が動いてキラキラと光るものを水と認識して飲んでいるからだと思われます。そのため飼育下でも水を動かして、飲み水だということを認識させる必要があります。
エボシカメレオンに水を認識させるために水を動かす方法はエアレーション方式・ドリップ方式・ミスト方式の3つの方法がありますが、これらの中からエボシカメレオンが水分補給しやすいものや飼育環境にあったものを最低でも1つもしくは複数取り入れる必要があります。
エサ
エボシカメレオンは雑食性ですが、基本的に主食は生きた昆虫です。また野生下では降雨量が少ない時期に水分補給のために植物質を食べると言われており、飼育下でも観葉植物の葉などを食べることがあり、人に慣れた個体であれば野菜・果物なども人の手から食べてくれます。幼体時は成長に必要な動物質のタンパク質を多めに与えるためにコオロギなどの生餌昆虫を中心に与え、果物などは糖分が多いので成体になってから与えるようにしましょう。エサの給餌間隔は成長期の固体や産卵前後の固体には毎日与え、成体だと1~2日おきくらいに1回与えるようにしましょう。
昆虫には粉末状のカルシウム剤やビタミン剤を必ずまぶしてから与えるようにしましょう。栄養の偏りの回避や骨の形成のためにもビタミン類(マルチビタミンなど)やカルシウムは必要です。カルシウムは毎日、D3が添加されているものは週1回を目安にエサに混ぜて与えてください。D3が添加されているカルシウム剤はカルシウムの吸収が促進されますのでおすすめです。
カメレオン飼育者に人気なカルシウム剤が月野野ファームのマルベリーカルシウムで、カルシウム剤に栄養豊富な桑の葉の粉末を混ぜたもので植物質を食べるエボシカメレオンに最適な商品です。
お手入れ用品
爬虫類飼育の日常メンテナンスとして、メインとなるのがケージ内の掃除です。不潔な環境は爬虫類にとって危険な病気の発生源になることもあるので、なるべくこまめにエサの食べ残しやフンは取り除くようにしましょう。また高温多湿を好む爬虫類のケージ内は、ウイルス・菌・カビなどの温床にもなりやすいので注意しましょう。爬虫類専用のクリーナー・消臭剤は、天然由来成分のアイテムばかりなので生体にとっても安心です。