ワームの管理(飼育・繁殖)方法

どうも、爬虫類ブロガーのSHU(@kitajimashuichi)です。

この記事では、主に爬虫類や両生類などのエサとして流通しているワームの管理方法について紹介したいと思います!

 

はじめに:餌用ワームについて

主に餌用として流通しているワームは、ミールワーム・ジャイアントミルワーム・ハニーワーム・シルクワームの4種類です。

ミールワーム

ミールワームはゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫の総称で、生餌として古くから飼育されているのはコメノゴミムシダマシ・チャイロコメノゴミムシダマシの2種です。日本国内外でミールワームといった場合は、普通であれば後者を指します。

チャイロコメノゴミムシダマシは低温に強く温帯の冷涼な地域に広く分布しますが、元来はヨーロッパ原産と考えられています。日本国内でも古くから商業的に増殖され主としてミルワームの商品名で流通しているミールワームは、このチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫です。ミールワームが成長しきったときの体長は17mm前後です。

ミールワームは小麦を製粉するときに分離されるふすまや、パンを粉状に砕いたパン粉を飼料として与えて簡単に繁殖することがでます。飼育容器の中にふすまやパン粉をある程度の厚さに敷き、そこに幼虫や成虫を放せば幼虫は内部に潜り成虫は表面を歩き回って生活を始めます。湿度が高い環境では真菌に感染し、最悪の場合全滅もありえますので十分に注意しましょう。

産卵はメスの成虫が尾端を伸張してふすまの内部に差し込み、微小な粘着性のある柔らかな卵を産み込みます。放置していても繁殖しますが、ミールワームは雑食性であり飼育容器内で蛹になったもの(とくに蛹化直後のもの)をそのまま放置すると、すぐに幼虫や成虫の捕食対象となり共食いを引き起こすので、繁殖を行うときには蛹になったものから他の容器に移した方が良いとされています。

エサとしての能力値
  • 栄養価:★★☆☆☆
  • 嗜好性:★★★★☆
  • 食べ易さ:★★★★☆
  • 入手し易さ:★★★★★
  • 管理し易さ:★★★★★

爬虫類の定番食で、あらゆる爬虫類や両生類の初期給餌に最適です。ただし栄養価が極端に低いので、最終的にはコオロギなどへの移行が好ましいです。

ジャイアントミルワーム

ジャイアントミルワームは、ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫です。アメリカ合衆国に増殖業者が多いですが、元来は中南米原産です。ミールワームとして流通しているコメノゴミムシダマシやチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫よりもはるかに大型であり、ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫は40mm余りにも成長します。

基本的にミールワームと同じ管理方法でも大丈夫ですが、ミールワームよりもさらに雑食性が強く難易度は若干高めです。主飼料のふすまに加えて野菜くずを与えるのみならず、動物性蛋白質を与えなければ成長は難しく幼虫同士の共食いも見られます。また比較的多湿環境を好むこともあって、ふすまではなくクワガタムシの飼育に使うような腐植土や朽木を粉砕したフレークを湿らせて住み場所兼餌として、さらに野菜くずや動物性蛋白質を含む小動物用配合飼料を補助的な餌として用いて飼育することも多いです。

エサとしての能力値
  • 栄養価:★★★☆☆
  • 嗜好性:★★★★☆
  • 食べ易さ:★★★☆☆
  • 入手し易さ:★★★★★
  • 管理し易さ:★★★★★

非常に脂肪分が多いので、単食には注意が必要です。時々大型の爬虫類の腹を満たす感覚で与えるといいでしょう。

ハニーワーム

ハニーワームは、ハチノスツヅリガの幼虫です。その名の通りハチミツを食べるので栄養価が高く、コオロギなどの生餌と比べて動きが鈍く扱いやすいという特徴があります。

ハチノスツヅリガはミツバチの巣を食い荒らすため養蜂家にとって非常に迷惑な害虫ですので、絶対に逃がさないようにしましょう。最初アジアで害虫として報告されましたが、その後北アフリカ、イギリス、ヨーロッパの一部の地域、北アメリカ、そしてニュージーランドにまで広がり、現在では世界中に広く分布しています。

ハニーワームは購入時の状態で管理でき、専用のハニーワームフードも販売されていますので、餌がなくなったらそちらを少しずつ足してあげてください。フードがなくなると繭を作り中で蛹となり、気温にもよりますが約1週間ほどで成虫の蛾となります。繭を作ってしまっても数日の間は繭を剥けば中からまだ蛹になっていない幼虫が出てきます。

一応繁殖も可能ですが成虫は蛾なので管理も大変で、爬虫類の餌としても栄養価が高く単食では与えることができないのでオススメしません。必要時購入した方が良いでしょう。

エサとしての能力値
  • 栄養価:★★★☆☆
  • 嗜好性:★★★★★
  • 食べ易さ:★★★★★
  • 入手し易さ:★★★☆☆
  • 管理し易さ:★★★★★

嗜好性は極めて高いですが脂肪分が多く肥満になるため、単食には注意が必要です。拒食時や生体の産卵後の栄養補給、その他おやつ感覚で与えるようにしましょう。

シルクワーム

シルクワームはカイコガの幼虫の総称ですが、一般的にはこの種全般をも指します。

シルクワームは、野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化された昆虫で野生には生息しません。餌がなくなっても逃げ出さず、体色が目立つ白色であるなど、人間による管理なしでは生育することができません。シルクワームを野外の桑にとまらせても、ほぼ1日のうちに捕食されるか、地面に落ち全滅してしまう可能性があります。幼虫は腹脚の把握力が弱いため樹木に自力で付着し続けることができず、風が吹いたりすると容易に落下してしまいます。成虫も翅はありますが、体が大きいことや飛翔に必要な筋肉が退化していることなどにより、羽ばたくことはできますがほぼ飛ぶことはできません。

繁殖も可能ですが、手間がかかり雑菌に弱く管理にも細かい注意が必要なのでオススメしません。必要時購入した方が良いでしょう。

エサとしての能力値
  • 栄養価:★★★★☆
  • 嗜好性:★★★★★
  • 食べ易さ:★★★★★
  • 入手し易さ:★★★☆☆
  • 管理し易さ:★★☆☆☆

栄養価・嗜好性が高く、非常に水分量が多いので水分補給にも使えます。

 

ワームの管理(飼育)方法

ここでは、爬虫類の本場ヨーロッパで主にヒョウモントカゲモドキなどの主食として与えられている、ミールワームの管理方法について紹介したいと思います。

ミールワームの管理に必要なアイテムをまとめると以下の通りです。

  • 飼育容器
  • エサ(床材)
  • 冬用保温器具

飼育容器

飼育容器は、サイズが豊富で値段も安いプラケースがオススメです。小さいサイズのプラケースでも大量に管理することができますが、あまり過密飼育で管理すると共食いをすることもあるので注意しましょう。ミールワームは湿度が高い環境では真菌に感染し最悪の場合全滅もありえますので、飼育容器は必ず通気性のいいものを使用しましょう。

エサ(床材)

日本では小麦を製粉するときに分離されるふすまや、パンを粉状に砕いたパン粉を餌として与えるのが一般的ですが、海外ではガットローディングも兼ねてビタオールを与えるのが一般的です。飼育容器の中にある程度の厚さに敷き、そこに幼虫や成虫を放せば幼虫は内部に潜り成虫は表面を歩き回って生活を始め床材としての効果もあります。

冬用保温器具

絶対に必要というわけではありませんが、ミールワームを年中通して繁殖させたい場合にはパネルヒーターを敷き暖めます。サイズも数種類販売されていますので飼育容器の多きさに合ったものを選びましょう。逆に繁殖させない場合には、冷蔵庫などで低温管理すると成長が遅くなり幼虫期間が長くなります。

ちなみに我が家ではパネルヒーターは使用せず、フトアゴヒゲトカゲのケージの上や照明器具の上に置いてケージ内の排気熱や照明器具の熱を利用して保温しています。

 

ワームの繁殖方法

ミールワームの繁殖のためにコレといって必要なアイテムはとくにありません。オスとメスの成虫がいて、温度管理と餌さえ十分にいき渡っていれば勝手に繁殖します。

ミールワームは雑食性であり飼育容器内で蛹になったもの(とくに蛹化直後のもの)をそのまま放置すると、すぐに幼虫や成虫の捕食対象となり共食いを引き起こすので、繁殖を行うときには蛹になったものから他の容器に移した方が良いとされていますが、基本放置でもある程度繁殖します。

 

まとめ

日本でメインとして与えている人はあまりいませんが、爬虫類の本場ヨーロッパで主にヒョウモントカゲモドキなどの主食として与えられているミールワーム。

爬虫類や両生類の餌として圧倒的に管理が楽で、繁殖もしやすく、とにかく丈夫で場所もとらないとメリットも多い半面、栄養価はカロリーこそ高いもののミネラルなどの栄養バランスは必ずしも良いとはいえません。とくにミールワームを主要な生餌として与える機会の多い爬虫類や両生類のような脊椎動物は、リン酸カルシウムで構成された内骨格を持つためリンとカルシウムの摂取バランスが重要であり、多くの場合はリン:カルシウム=1:1.5が望ましいとされていますが、ミールワームはリン:カルシウム=14:1でリンとカルシウムの比率が著しく悪いためカルシウムの摂取上好ましくない面があります。しかし、不足している栄養価の大半はガットローディングやダスティングで補うことができます。一般的に栄養価が極端に低いといわれているミールワームですが、ガットローディングとダスティングをしっかりと行うことでコオロギと遜色のない程度まで栄養価を高めることができます。

ミールワームは爬虫類・両生類の初期給餌に最適ですし、ハニーワームは栄養補給に、シルクワームは水分補給に最適です。ワーム類は嗜好性が高いのでおやつ感覚で与えるのもオススメです。要は、爬虫類も両生類も自然界でコオロギだけを食べて生きているわけではないので、人間と一緒でいろんな餌をバランス良く与えることが大切なんじゃないかと思います。

では、みなさんもよい爬虫類ライフを!

爬虫類の生餌について【昆虫編】

2018年12月18日