どうも、爬虫類ブロガー“SHU”です。
この記事では、主に爬虫類や両生類などの餌用として流通しているゴキブリの管理方法について紹介したいと思います!ぜひ参考にしてみてください!
はじめに:餌用ゴキブリについて
主に餌用として流通しているゴキブリは、レッドローチ(トルキスタンローチ)とデュビア(アルゼンチンフォレストローチ)の2種です。
レッドローチ
元来、中央アジアのトルキスタンという地域に生息していたことから「トルキスタンローチ」といいます。また赤い見た目から「レッドローチ」や「レッドランナー」とも呼ばれ、日本ではレッドローチの呼び名で広く浸透しています。
レッドローチは寒暖の気温差が激しく乾燥した気候に適応しているため、水切れに強く丈夫で飼育しやすい種類です。海外でも爬虫類・両生類の生餌昆虫として飼育されており、中央アジア以外の地域でも生息が確認されています。アメリカでは下水道で普通に見られ衛生害虫として知られているそうです。日本でも飼育されており、すでに定着の例もあるようなので脱走には注意しましょう。
成虫は30mm程度にまで成長し、成熟したメスは卵鞘を産み落とします。卵鞘は25℃前後で保管すると約1ヶ月ほどで、ひとつの卵鞘から数十匹の幼虫が孵化します。孵化した幼虫は、数回の脱皮を繰り返し3ヶ月~6ヶ月後に成虫になります。
- 栄養価:★★★★★
- 嗜好性:★★★★☆
- 食べ易さ:★★★★☆
- 入手し易さ:★★★★☆
- 管理し易さ:★★★★★
高栄養で繁殖もしやすく管理も楽で、多くの種類の爬虫類・両生類を飼育している人ほどレッドローチを餌として与えている人が多いような気がします。
デュビア
一般的に「デュビア」の愛称で親しまれているアルゼンチンフォレストローチは、中米から南米にかけてかなり広域の森林に生息しています。
生息地からも分かるように、非常に広範囲の気候に適応しており丈夫で飼育しやすい種類です。それでいてプラケースなどツルツルした壁面は登ることができず、飛んで移動することもなく、さらに比較的ゆっくりとした動きという生餌昆虫に適した特徴を持つため、様々な飼育動物の餌用昆虫として普及しています。
成虫は50mm程度にまで成長します。デュビアは卵胎生で最初はメスの体に卵鞘をつけた状態で保護していますが時間が経つと再度メスの体内に取り込まれ、約1ヶ月ほどで孵化し一度に20〜40匹の幼虫が生まれてきます。温度・湿度が低いと孵化は大幅に遅れ、20℃以下では孵化率もかなり低下します。幼虫は数回の脱皮を繰り返し4ヶ月~6ヶ月後に成虫になります。
- 栄養価:★★★★★
- 嗜好性:★★★★☆
- 食べ易さ:★★★☆☆
- 入手し易さ:★★★☆☆
- 管理し易さ:★★★★★
高栄養・襲わない・死なないの3拍子が揃った餌用ゴキブリです。デュビアの成体は結構大きくなるので、ヤモリなど与える爬虫類によってはMサイズと呼ばれる幼虫を与えるなど注意が必要です。
餌用ゴキブリの管理(飼育)方法
餌用ゴキブリの管理に必要なアイテムをまとめると以下の通りです。
- 飼育容器
- 冬用保温器具
- シェルター
- 水入れ(自動給水器)
- エサ(兼床材)
飼育容器
レッドローチもデュビアも基本的には滑らかで垂直な壁面を登ることはできませんが、幼虫などは稀に登ることが確認されています。飼育容器は一般的なプラケースとかでもいいですが蓋の隙間から脱走する可能性も考えられるので、コバエシャッターという隙間がないタイプのプラケースが無難です。ゴキブリは基本的に共食いせず密集を好みますので、飼育容器のサイズと生体の割合が爬虫類や両生類の常識とは異なり過密飼育の方が繁殖のための重要なポイントになります。
冬用保温器具
ゴキブリの飼育温度は25~30℃が適温で、これより低いと成長は遅くなります。そのため冬は飼育容器の下にパネルヒーターを敷き暖めます。パネルヒーターのサイズは数種類販売されていますので、飼育容器の大きさに合ったものを選びましょう。また湿度60%以上の環境で、糞を溜めたまま長期間放置しておくとダニが発生します。頻繁に掃除して清潔な環境で飼育しましょう。
シェルター
シェルターは、ゴキブリの居住空間を増やすためのものです。ゴキブリが歩きやすい紙製のものであれば、卵パック・ダンボール・厚紙など何でも構いません。
水入れ(自動給水器)
自動給水器を使用すると数日間水を補給する必要がなくなり大変便利です。また必要以上に湿度が上がることもないので、ダニの発生予防にも繋がります。自動給水器はタッパーなどで自作することも可能です。タッパーの蓋に小さな穴をあけてキッチンペーパーや脱脂綿などを通すだけなので簡単です。キッチンペーパーや脱脂綿などに吸わせた水分をゴキブリに与えるという仕組みです。
エサ(兼床材)
ゴキブリは草食傾向の強い雑食性が多く、野菜・果物・昆虫ゼリー・ラビットフードなど何でもよく食べます。ゴキブリをペットとして飼育するのであればこれらの中から嗜好性の良いものを選んで与えますが、ゴキブリを飼育動物の餌として与える場合はゴキブリの餌も慎重に選びましょう。餌からゴキブリの体内に取り込まれた成分の一部は、そのまま飼育動物の体内に入り健康を害する原因になることもあります。飼育動物の健康を第一に考えるのであれば「経済的、嗜好性が良い」などという安易な理由で餌を選ぶのはやめましょう。ガットローディングも兼ねて餌用ゴキブリに高栄養価の餌を与えると、それが飼育動物への栄養にも繋がるのでおすすめです。
まとめ
餌用ゴキブリは成熟したオスとメスが一定数いて、温度と湿度の管理さえできていれば勝手に繁殖します。基本的に共食いもしないので過密飼育の方が繁殖もしやすく、いつの間にか勝手に増殖しています。ちなみに我が家ではパネルヒーターなど冬用保温器具は使用せず、フトアゴヒゲトカゲのケージ上や照明器具上に置いてケージの排気熱や照明器具の熱を利用して保温しています。
爬虫類や両生類の餌用として管理がとても楽で放っておいても繁殖しやすく、とにかく丈夫で場所もとらないと良いことずくめの餌用ゴキブリ。餌用コオロギの管理がうまくいかなかったり、生餌昆虫に手間や時間をかけたくない方や餌代を少しでも抑えたい方なんかに特におすすめです。またそういった人たちは必ずと言っていいほど、レッドローチやデュビアといった餌用ゴキブリに落ち着くのではないでしょうか。